在宅医療部」カテゴリーアーカイブ

緩和ケアセミナー ~在宅視点の緩和ケアパスを活用した多職種連携~

3月18日(水)に当院医師の篠田先生による「在宅における緩和ケア」セミナーが開催されました。

がんと診断されたときから緩和ケアが必要であるといわれていますが、医師・看護師・ケアマネジャー・ヘルパーなど地域で関わる多職種が緩和ケアの知識を深め、連携していくことが、患者さんとご家族の生活の質を高めるために必要だと考えます。
「この患者さんの予後はどれくらいなの?」「もっと早くこのサービスを導入すればよかった?」そんな疑問を解消するために、今回のセミナーでは篠田先生が考案した『緩和ケアクリニカルパス』を使用して、より良い在宅緩和ケア実践のための意見交換をおこないました。

在宅での緩和ケア、なかでもがんという病の経過はどうなるのか?、そして予後を予測するには何に注目したら良いのか?について篠田先生から講義があり、その後ケアの流れをパスを通して確認し、症例を通したグループワークをおこないました。
明日からすぐに使える、わかりやすいパスとなってますので、下記動画(15分)とセミナーで使用した資料をご覧ください。



今回は英国でマギーズ・ウエストロンドンを訪れた時の様子を報告します。

1月10日から17日まで、英国へ視察旅行へ行ってきました。今回の視察は、英国の認知症ケアを学ぼうということで、認知症ケアに関わる組織や施設を中心に訪れました。この件につきましては、後日ご報告いたします。

在宅医療で緩和ケアも当院は対応していますので、今回の英国視察の旅程に、ガンの人々の支援をしているロンドンにあるマギーズ(Maggie’s West London)を組み込んで訪れてきました。

マギーズは、ガンを患っている方々とその家族や知人に対して、実践的な心理的・社会的サポートを提供しているNPO団体です。1996年にエジンバラに最初のセンターができて以来、現在のところイギリス全土に15箇所と香港に1箇所あります。そもそもの始まりは、ガンを患っていたマギーさんという方の「死期が近づいている時でも、人生の喜びを見失うべきではない。」という思いを実現しようとしたものでした。

私たちが訪れたマギーズは、ロンドンのチャリング・クロス病院の敷地内にあり、とても明るい斬新なデザインの建物が特徴的でした。

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マギーズに入るとまず誰かしらがそっと寄ってきて、挨拶をしてくれます。今回は、センター長のバーニーさんにお話を伺う機会をいただきました。バーニーさんは、マギーズで働く前は、ガンの専門看護師として長年の臨床経験を持っている方でした。

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バーニーさんが特に強調しておられたのは、ガンを患っている人々やそれを支えている人々との関係性でした。マギーズは医療機関ではないので、医療機関にありがちな医療者と患者という力関係ではなく、共に歩んでいく者であり、当事者の主体的な取り組みをサポートするというのを徹底しておられました。その表れが、自分の好きなときに来ることができるということであり、来れば必ず誰かが迎えてくれるということであり、自分で好きな飲み物を自由に作って飲むことであり、スタッフは記録を取らずに話しを聞くということでありました。もう一つ強調されていたのは、マギーズのスタッフを含めガンの人々を支える人々へのサポートでした。マギーズのスタッフは、週に一度臨床心理士とのカウンセリングがあり、自分たち自身の心理状態を良好に保ち、心理的な疲弊を起こさないように努めておられました。

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マギーズはガンの人々への取り組みですが、その理念は、ガンの人々だけでなく他の病に苦しんでいる人々、例えば認知症の人々にも通じるものがあると感じました。バーニーさん、ありがとうございました。

藤沢市にある小規模多機能施設「あおいけあ」を見学

今日(2015/3/11)は藤沢市にある小規模多機能施設「あおいけあ」を見学し、代表の加藤忠相さんからたくさんお話を伺いました。

あくまで認知症の方(というより人生の大先輩である高齢者)の強みを活かした自立支援という視点と、通い・泊まり・訪問で縦横無尽に支えきる小規模多機能ならではの安心感は、施設ケアへの認識を180度転換させるパワーを感じました。もちろんそこには、認知症への深い理解と、計算された空間、雰囲気、そして組織作りがあってのことだと思います。
地域毎に様々なカタチがあるでしょうが、あおいけあの視点や理念は、ぜひすべての介護者や施設運営者に知っていただきたいと思いました。

加藤様、皆さん本当にありがとうございました。

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ポータブル超音波スキャン

先月末のお昼の勉強会は、ポータブル超音波スキャンについてでした。用賀アーバンクリニックの臨床検査技師の方を招いて、在宅医療部に備え付けの携帯型超音波診断装置であるVscanについて学びました。

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今回は、始めてVscanに触れるスタッフもいたので、まず導入として基礎的なことについて実演指導していただきました。終始リラックスしたムードのなか、医師からも、看護師からも、さらには事務からも活発に質問が飛び交う大変インタラクティブな勉強会となりました。

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心臓から始まり、胆のうや腎臓や膀胱などの識別の仕方、正常な場合や異常な場合のポイントなどを丁寧にわかりやく教えてくださり、とても勉強になりました。後半は、実技指導もあり、たいへん有意義なお昼の時間となりました。

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「英国認知症ケア視察報告会」を開催しました

当院で「英国認知症ケア視察報告会」を開催しました。年始に片山看護師と木内事務兼理学療法士が1週間英国に視察見学した結果の報告会です。

アドミラルナースや認知症friendlyGP、認知症ケアサービス開発センターなどの実際について、地域ケア、人材育成、環境整備、ビジネスモデルといった視点で報告させて頂きました。世田谷の地域ケアに関わっておられる方々を中心に80名近いご参加、セミナー終了後もたくさんの質問をいただき、皆さんの高い感心がうかがわれました。

この共有を土台にして、この地域にどう生かせるかを一緒に考えていきたいと思います。

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在宅における肺炎治療セミナーを開催しました

高齢者の肺炎による死亡率は成人の1000倍以上!!といわれ、超高齢社会においては肺炎診療の重要性は高まる一方です。
入院によるデメリットが大きい高齢者にとって、在宅で肺炎を治療できればという思いで肺炎治療セミナーを開催しました。

当日は当院医師である五味先生が考案した『在宅版肺炎クリニカルパス』についても説明し、治療の流れをパスを通して確認しました。また、グループワークも企画して参加者の方々で多職種の視点からより良い利用方法をディスカッションしました。

肺炎は兆候を見逃さないことと、日々の予防が大切ですが、肺炎を“撃退”するためには、ご家族の協力はもちろんのこと、訪問看護師、ケアマネジャーなど多職種の連携が不可欠です。
今回だけでなく、継続的に皆で意見交換できる場を作っていければと思います。

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遠矢院長がNHK Eテレの医療番組「チョイス」にゲスト出演します

NHK Eテレの医療番組「チョイス@病気になったとき」は、病気になって誰しもが迷う場面で、様々な選択肢(チョイス)を提示しながら、病気の悪化を防ぎ健やかに暮らす方法を考える、という番組です。

2月14日(土)のテーマは「在宅医療」。
言葉は知っていても、どういう人が対象なのか、費用はどれくらいかかるか、どうしたら受けられるかなど、基本的な疑問を分かりやすく伝える内容の予定で、当院の遠矢院長が在宅医としてゲスト出演いたします。
2月14日(土)午後8時からNHK Eテレで放送予定ですのでぜひご覧ください。

【チョイス@病気になったとき】
http://www.nhk.or.jp/kenko/sp/choice/index.html

チョイス


当院で餅つき大会をおこないました。

新年明けましておめでとうございます。
昨年は患者様並びにご家族様、地域の連携先様には大変お世話になりました。
今年もどうか宜しくお願い申し上げます。

新年ということで、当院で餅つき大会をおこないました。
当日は地域の方々やスタッフ家族も集まり、総勢30名程で約5kgのもち米を蒸して餅つきを楽しみました。
あんこを入れたり、きなこをまぶしたり、餅を焼いて海苔巻きにしたりと様々な餅を堪能しました。

来年も開催します!

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月刊誌「がんサポート」に当院の取り組みが掲載されました!

がん患者ご本人・ご家族・がん治療に関わる医療従事者のための月刊誌「がんサポート(2015年1月号)」に当院の取り組みを取り上げていただきました。
http://www.evidence-inc.jp

取り上げていただいたのは、チーム医療がうまく機能している施設が紹介される「がんのチーム医療」のコーナーで、これまでに、
 がん研有明病院(栄養サポートチーム)
 川崎市立井田病院(緩和ケアチーム)
 船橋市立医療センター(褥瘡対策チーム)
 公立昭和病院(通院治療チーム)
 慶應義塾大学病院(がんリハビリテーションチーム)
 国立がん研究センター東病院(サポーティブケアチーム)
などの医療機関が取り上げられています。
在宅医療機関として取り上げられるのは当院が初めてで、まだまだ普及が必要な在宅でのがんの方への在宅医療の理解の向上につながれば良いと考えています。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

【掲載記事のPDFはこちら】
http://goo.gl/JXBAID

がんサポート


遠矢院長講演inゆめてらす三軒茶屋

12月10日に当院院長である遠矢先生が、三軒茶屋にあるゆめてらすにて「老いてからの医療・介護とのつきあい方、自分らしい最後の迎え方」という演題で、在宅医療セミナーを行ないました。

在宅医療に将来関わるであろうご本人の方やすでに関わっているケアマネジャーの方々の参加がありました。

セミナー終了後には、懇親会が行なわれ、活発な意見交換が行なわれました。
参加された皆さんから「在宅医療について学びたい!」という意欲がひしひしと伝わってきて、継続的に在宅医療について発信していくことの必要性を強く感じました。
「患者視点の医療」という立場から、今後、ますます多くの人々に、在宅医療も選択肢のひとつとして可能であるということを知っていただけたらと思いました。

ゆめてらす