2021/1/10 世田谷区の認知症カフェにて、ACPのお話をさせて頂きました。ACPのことを考えるには、まだまだはびこる医療万能説的な幻想をくつがえして、老いてからの医療とのつきあい方をお伝えするところから入らなければならず、限られた時間では難しいことをいつも感じます。取りあえずスタート地点へのご案内ができれば、あとは家族やかかりつけ医などと徐々に深めていけるといいなと思いつつ。
今回も岩瀬さん率いるきままカフェで、地域の方々(中にはうちの在宅医療の患者さんのご家族も数名参加)といろいろディスカッションできたことがありがたかったです。
「講演活動」カテゴリーアーカイブ
スウェーデン大使館で開催された認知症セミナーにて講演させていただきました
2019/11/07 スウェーデン大使館で開催された認知症セミナーにて、講演させていただきました。大使館内にある木造のアーチ型講堂は、コンパクトながら100席を有するという機能性も備えています。平日の日中にも関わらず、満席となった会場にはおなじみのお顔もあり、おかげでちょっと緊張が和らぎました。
今回の私のテーマは「認知症と生きる希望」。私とスウェーデンとのつながりであるカロリンスカ研究所の認知症ケア修士課程で学んだこと、その後在宅医療や地域ケアの中で関わらせて頂いている様々な認知症への取り組み(認知症初期集中支援やBPSDケアプログラム、認知症に優しいデザインや認知症在宅生活サポートセンターなど)について、この数年間の活動を自分なりに振り返りつつ、認知症をとりまく日本と世界の今をまとめてみました。
こうしてみると、この4-5年の間にも日本ではオレンジプランや認知症カフェなど様々な施策や取り組みが始まり、JDWGなど当事者活動を中心とした動きも活発化しています。その勢いは世界からも注目されています。一方でまだまだ施設や病院、一般市民の認識など様々な場でその波が届いていないところも多く、ギャップが大きくなっている印象もあります。
今回認知症に関わる様々な現場を持つ方々がご参加されており、ご意見や課題について聴かせてくださいました。こういう場で意見交換しながら、互いの知見を共有しあい深め合うことで、進化の速度を上げていかねばならなりません。ローカルを突き詰めるとやがてグローバルに通じていくというのが、まさにカロリンスカで学んだことでした。今後もこうした活動を続けていこうと思います。
認知症初期集中支援について、この6年間の実践報告会を開催しました。
2019/02/22 今夜は2012年から当院が取り組んでいる認知症初期集中支援について、この6年間の実践報告会を開催しました。首都圏におられる認知症看護認定看護師や初期集中支援に取り組んでおられる方々など、約50名が集われました。
認知症初期集中支援は、今年度(2018年度)から全国の自治体での実施が義務付けられた新オレンジプランに基づく国の新しい認知症施策。認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」を配置し、早期診断・ 早期対応に向けた支援体制を構築することを目的としています。
事前にこの事業のための講習会などはあるものの、「どんなケースを対象にすれば良いのか?」「どうやって対象者を把握しているのか?」「かかりつけ医や専門医との連携はどうすれば?」など、各自治体での模索が始まっています。今回の報告会でも、その実務者(チーム員)の方々が多く集われ、実際的な質問が多く寄せられました。
全国一斉に同じ課題に取り組んでいるにもかかわらず、他のチームがどのような活動をしているのかなど横のつながりがほとんど無いのが残念です。今後のスピード感を上げるためにも、まずは今回集われた方々を中心にSNSなどでつながり、情報やノウハウの交換できるプラットフォームを立ち上げることも検討していきます。
「認知症フレンドリー社会を考える」をテーマに在宅医療スキルアップセミナーを開催しました。
地域の薬剤師さん向けに「薬剤師のためのフィジカル・アセスメント 呼吸器編」セミナーを開催しました。
第4回地域包括ケア研究会で看多機「ナースケア・リビング世田谷中町」の片山所長が基調講演させていただきました。
2019/01/29 世田谷区の急性期基幹病院のひとつである日産厚生会玉川病院にて、第4回地域包括ケア研究会が開催され、当院の看多機「ナースケア・リビング世田谷中町」の所長である片山智栄看護師が基調講演をさせていただきました。
テーマは「地域包括ケアシステムにおける在宅看護の役割」。急性期病院の医師や看護師、ソーシャルワーカーらに対して、在宅での生活をささえる看護や医療の実際、そして看多機という統合的包括的サービスがもたらす価値についてお話しました。限られた地域リソースが効果的に連携しあいながらひとりの患者さんをささえていくには、お互いの役割や機能について理解しておくことが必要になります。早期退院の支援など病院と看多機のさらなる連携を進めていきたいと思います。
Dementia forum X Japanでこれからの認知症ケアのあり方についてお話しました。
2018/04/25 スウェーデン大使館で行われたDementia forum X Japanというイベントに参加させて頂きました。これは日本とスウェーデン国交150周年を記念して、スウェーデンにて2015年より開催されている「Dementia Forum X」を、初めての海外開催として日本で開催されたものです。訪日中のシルヴィア王妃もご臨席され、王妃の変わらぬ認知症への強い関心と王妃ご自身のお母様が認知症を患われたことから始まったシルヴィアホームや多職種への認知症教育を目的としたシルヴィア財団の取り組みについて、自らスピーチされました。
私がKarolinska instituteによる「一般医のための認知症ケア修士課程」(これもシルヴィア財団による寄付講座)を約2年半かかって修了し、シルヴィア・ドクターの称号を頂いてからはや2年経ちます。その間にも在宅医療はもちろん、初期集中支援や東京都のBPSDケアプログラム、看多機に認知症の方にやさしいデザインを採用するなど、様々な形で認知症への関わりの機会を頂いているので、それらを少し総括しつつ、これからの認知症ケアのあり方についてお話させて頂きました。
会場にはKarolinskaの講義でも教わったWillhelm Hofmann先生も来られており、私のスピーチを喜んでくださいました。シルヴィア財団による教育プログラムは、介護士、看護師、医師に加え、作業療法士などのセラピストに対する専門教育にも取り組み始められたそうです。オンラインで完結する体系化された質の高いカリキュラムと世界から集まる受講者間のディスカッションは、他では得られない学びに溢れています。ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
英国スターリング大学で「世田谷中町プロジェクト」について発表をしました
2017/06/01 法人の総事務長である大石が英国スターリング大学で行われたInternational Masterclass on design for dementia and ageingで看多機「ナースケア・リビング世田谷中町」を含めた「世田谷中町プロジェクト」について発表をしました。
ここには様々な国々(オランダ、スウェーデン、ノルウェー、スペイン、インドなど)からの参加者がありました。
発表後どの国々の人々からも世田谷中町プロジェクトに関しては高い評価を受けました。
DSDCの認知症デザインを取り入れたという点だけでなく、日本風にアレンジした点であったり、プロジェクト全体のコンセプトである多世代交流であったり、地域包括ケア型の街づくりにも非常に高い関心が寄せられていましたした。日本に来る際にはぜひ見学に行きたいとの声も多数ありました。
日本老年医学会学術集会で五味医師が『クリニカルパスを活用した在宅での肺炎治療』について口演発表しました。
2017/6/9 第58回日本老年医学会学術集会で五味医師より当院で取り組んでいる『クリニカルパスを活用した在宅での肺炎治療』の実績についての報告をさせていただきました。
当院で作成した肺炎クリニカルパスの有効性を検証するために、導入前の87例とパス導入後の54例についての治癒率と死亡率を比較したところ、肺炎クリニカルパス導入後、在宅治癒率が上昇し、死亡率が減少した結果が得られました。クリニカルパスを使用し速やかに治療を開始できたことで重症例においても良好な転帰が得られた可能性があると思われます。
肺炎クリニカルパス・各種資料のダウンロードはこちらから
クリニックの取組み > 肺炎クリニカルパス
MacFan7月号でチーム医療3.0の講演記事が掲載されました。
MacFan7月号(P.72-73)で、先日のMobileHealthcare 2016におけるチーム医療3.0の講演を取り上げていただきました。在宅医療の情報とナレッジの共有におけるICT活用についての取り組みが紹介されています。
MobileHealthcare 2016 講演動画
https://teachme.jp/r/jikei-ope