2019/06/08 先日は、台湾の高雄市から高齢者福祉や認知症ケアについての視察団が来訪された。在宅医療とICT、認知症初期集中支援など、私たちの取り組みについてお話し、在宅療養や認知症ケアについての両国の違いなどについてディスカッションする機会となりました。7-8年前から度々台湾からの来訪者を受け入れていますが、毎回語られるのは「高齢者も病院大好きで、在宅医療など望んでいない」という台湾の現状。医療が安く受けられることや充実した救急医療などにより、在宅医療を望む人は居ないというのが現状のようです。
「研修・見学受入」カテゴリーアーカイブ
オランダからの視察団14名が来院されました。
2019/04/13 今日はオランダからの視察団14名が来院されました。病院関係者やマイクロソフトなどICT関連等の方々で、日本における医療へのICT活用を視察に来られたそうです。
遠矢医師からは在宅医療の実際と現場の診療やケア、連携をささえるICTシステムやモバイル化された医療機器、センサーやビデオによる遠隔モニタリング、ロボットなどの現状をお話させて頂いた。
今回病院関係者が多かったこともあり、たくさんの質問やディスカッションが広がりました。「日本はなぜ少子化が続くのか」「死亡場所は施設にも広がっていくのか」といった全般的な社会や制度のことから、地域連携システムと病院やクリニックの電子カルテシステムとの接続の有無や今後それらが統一される将来的な可能性などに特に興味を持っておられたようです。オランダも診療情報の一元化を目指して規格は作られているが、それぞれの電子カルテメーカーの囲い込みもあり、なかなか普及していないということでした。
あっという間の2時間半でしたが、自分たちの現状を振り返る時間にもなり、貴重な機会を頂いたことに感謝したい。次はオランダでまたお会いしましょう。
小泉進次郎議員が当院在宅医療部に見学にこられました。
2019/02/28 今日は小泉進次郎議員が当院在宅医療部に見学にこられました。往診バッグの中身に始まり、在宅医療における様々な課題とタスクシフティング、これからの地域薬局のあり方、在宅クリニックにおける薬剤師の役割など、短い時間ではありましたがとても濃密な議論となりました。
進次郎氏は、世の中をより良くしていく変えていくという誠実で革新的な情熱に溢れていて、傍に居るだけで包み込むような優しいエネルギーが感じられる方でした。スポンジのようにぎゅーっといろんなことを吸収していかれたので、鉄は熱いうちに打て、早々に今日の議論をチャートにまとめてお送りしようと思います。
小泉進次郎議員のホームページとFacebookに紹介していただきました。
→ ホームページ
→ Facebook
経産官僚の須賀千鶴さんと社会学者の古市憲寿さんが見学に来られました。
地域の薬剤師さん向けに「薬剤師のためのフィジカル・アセスメント 呼吸器編」セミナーを開催しました。
祐ホームクリニックの武藤真祐先生がお越しくださいました。
スタンフォード大学の医学生 Paul W. Horakさんが見学にいらっしゃいました。
シンガポールにあるセント・ルークス病院から3名の見学者がお越しになりました
2017/06/23 シンガポールにあるセント・ルークス病院の在宅医療部から3名の見学者(医師、看護師、事務長)がありました。今回の見学に至った経緯ですが、もともと一行は日本と台湾の医療の現場研修に訪れる予定があったのですが、その際に東京の在宅医療の現場も見学したいという希望があったそうです。一行から研修先の1つである福岡県頴田病院の本田院長に相談があり、以前から何度か医療職間の交流があった桜新町アーバンクリニックを推薦していただき実現いたしました。
当日は、まず当院の朝の申し送りと毎朝の勉強会に参加していただきました。その後、1名ずつに分かれて訪問診療に同行し、患者宅を伺いました。
訪問診療後、戻ってきてからは桜新町アーバンクリニックの紹介や運営の工夫についての話をしました。なかでも業務効率化と質の向上の取り組みとして当院で実施しているディクテーションによる診療録の記載、24時間対応(オンコールや当直など)、iPhoneを活用した情報共有には興味があったようで、細かい質問を受けました。
お昼にははランチョン形式で遠矢先生から日本の医療の現状、在宅医療制度や診療報酬制度、そして今後の方向性についてのレクチャーがありました。
日本はすでに超高齢社会に突入していますが、シンガポールを始め他のアジア諸国も急速に高齢化が進んでいること、医療の技術の進歩により在宅医療でできる範囲が大幅に増えていること、患者視点から患者が望む場所での医療の提供が求められていること、その中で日本では地域包括ケアシステムの構築が進められていることなどについて話がありました。
このレクチャーは双方的なディスカッションとなり、シンガポールの在宅医療や介護の現状についても先方から話がありました。例えば在宅医療に関しては、時間外や夜間は病院に対応を任せているとのことで日本の在宅医療の手厚さを感じました。
また介護面では近隣のフィリピンやミャンマーから住み込みで働く人を受け入れているので家族の負担が少ないそうです。日本より進んでいると感じたのは情報の共有化の部分です。シンガポールでは国としての規模が小さいためか、情報の共有化が進んでおり、血液検査やレントゲン、CT、MRIなどの検査結果に関しては別の病院で検査を受けていても自院のコンピューター上で確認できるそうです。各病院の診療録の共有化についても現在進められているとのことです。日本でも異なる医療機関間の情報の共有化が進めば、検査を重複しなくて済んだり、同じ質問について繰り返し答えなくて済むといった患者さんにとって恩恵があるだけでなく、限られた医療資源の効率的な利用をすることができたり、1人の患者さんについての多様な情報を集約できるので医療の質をあげる可能性があると感じました。
午後は、当院が5月に開設した看護小規模多機能型居宅介護施設である「ナースケア・リビング世田谷中町」を訪問し、見学しました。ここでは、訪問・通所・お泊りの3機能を合わせ持つ看護小規模多機能というサービスのコンセプトや英国スターリング大学と共同して認知症にやさしいデザインを取り入れたことなどの説明をしました。またこの施設が入っている建物には保育園やコミュニティカフェがあり、多世代間の交流にも力をいれており、その点についても興味を示していました。
今回のような見学者の受け入れは、当院のこれまでの取り組みの振り返りの機会にもなりますし、また情報交換の場として新しい刺激をうける貴重な機会だと感じています。見学に来てくださったセント・ルークス病院のみなさま、当院を紹介してくださった頴田病院の本田院長、どうもありがとうございました。
(事務 木内大介)
アジア(カンボジア、ラオス、ネパール)の行政官が当院に視察に来られました
2017/04/027 G8サミットの提言から設立された「P4H」というネットワークの研修の一環で、アジア(カンボジア、ラオス、ネパール等)の行政官が日本の医療制度を見るために来日されました。その研修の中で、WHO(世界保健機関)と厚労省のサポートで約20名の方が、当院に日本での在宅医療の実際を見るために視察に来られました。
ちょうど5月よりオープンする「ナースケアリビング世田谷中町」(看多機)の新しい事業所にお越しいただき、「In-Home Medical Care japan」と題して、当院の五味医師が日本の在宅医療と看護小規模多機能の取り組みについてお話しました。
例えばネパールは、1960年代の平均寿命が39歳だったのに対して現在は60歳になっていて、これから高齢化が年々上昇することが予測されています。また、同様に高齢化率は7%と日本の23%に比べてまだまだ低いですが、これから上昇が始まります。東南アジアの各国はどこも似たような状況ですので、医療と介護を保険制度化し、既に超高齢化を迎えている日本を良くも悪くも手本として注目されていることがわかりました。
講演後は、松原アーバンクリニックの三島千明医師が進行と通訳を務める形で、車座になってフリーのディスカッションを行いました。日本の医療制度の話や、なぜ自宅で最期を迎えたい人が多いのに病院で亡くなる人が多いのか、また、大病院ではなく地域で働くことの価値は何なのか、などたくさんの質問がありました。また、参加者の方々にとって「看多機」が日本における新しい試みとして、非常に印象深かったようです。
視察後のコメントとして、「見学で出会ったスタッフの方々は皆とてもモチベーションが高く感激した。どうやったら自分の国で働く人たちのやる気を出せるのか」「”コミュニティ”という概念について新しい定義をもった。自分にとっては経験したことがない医療の新しい姿だと思う、自分の国にどう生かせるか考えたい」など、私たちにも励みになる感想を頂けました。
(看護師 赤崎眞理)