2017/2/8、看護小規模多機能居宅介護の申請手続きが終了。
いよいよ、ナースケア・リビング世田谷中町が始動します!
今回は、桜新町アーバンクリニック(訪問診療)、ナースケア・ステーション(訪問看護)がなぜナースケア・リビング(看護小規模多機能型居宅介護)を開設するに至ったのかをお伝えしたいとおもいます。
世田谷区で訪問診療を開始して、もうすぐ9年目になります。
さまざまな疾患、患者さん、ご家族、そして連携先の皆さまに支えられ、学ばせてもらうことで、わたしたちは成長することができ、クリニックの仲間たちも増えてきました。
ただ、そのなかでいつも、もっと患者さんたちの
「自宅で最期まで暮らしたい」
「入院や施設入所はしたくない」
という気持ちに寄り添うことができないかと、葛藤しておりました。
わたしたちの法人には、同じ世田谷区に有床診療所の松原アーバンクリニックがあります。在宅患者さんの入院も可能なため、薬の微調整が必要な場合やホスピス緩和ケアを希望される方などには利用をお勧めすることもできましたが、『自宅で』を支えるためには、違う方法がないかと模索しておりました。
多職種チームで編成された、強固な医療看護セラピストチームがお家生活を支える、おおげさに言えば、そのひとの生き方を支えるチームになるためには介護(ケア)を自分たちで支えることが不可欠だと思うようになりました。
そもそも、どうして入院や入所の選択を余儀なくされるのか。そこには、家族の介護負担や医療的ケアの壁が存在します。
医療依存度が高いケアが必要な方は、一般的な介護保険サービス(デイサービスやショートステイ)が利用しにくくなります。介護職で実施できる医療的ケアが制限されているためです。気管切開されているから、経管栄養やバルーンチューブがあるから、酸素投与中だから、といった理由で利用できない現状がまだまだあります。
自宅で療養生活を継続するためには、家族が介護負担するしかないのです。休みなしの介護が続くと、どんなに愛情があっても、疲労が蓄積します。そんな家族をみて、患者さんは入所や入院を考え始めるのです。
医療依存度が高い方でも、安心して介護保険サービスを利用できるようにしたい。家族が休めるように、お家以外の休まる場所、リビングルームを提供したい。お家での生活が継続できるように、セルフケアを高め、生活リハビリを強化したい。
そんな願いから、わたしたちは看護小規模多機能型居宅介護を選択しました。
医療と看護、そして介護の連携から統合へ。
わたしたちは新しいプロジェクトを始動します!!!
(ステーション所長 片山智栄)