被災地支援の取り組みの大きなイベントとして、本吉地区の介護事業所のスタッフの皆さんを当院にお招きして2泊3日で在宅医療の実地研修を、6名ずつ2回に分けて行いました。
ご参加いただいた方々の職種は、ケアマネジャー、看護師、管理栄養士、介護士の皆さんで、今回もタイトなスケジュールの中で2泊3日の研修を受けていただきました。
第一班 2013/2/18~20 参加者 6名
第二班 2013/2/26~28 参加者 6名
(1)在宅医療同行見学
在宅医療の同行見学を通じて、一人ひとりの患者さんに対して、各職種がどのように関わりあっているか、どのような役割を担うことが患者さんのQOL向上に繋がるかを、介護職の皆さんとは異なる医療的な視点から見ることで、各職種での役割をあらためて考えてもらう機会にする。
(2)デイサービス見学(短時間機能訓練デイサービス)
短時間機能訓練デイサービスでのプログラムを見学していただくと同時に、在宅の現場で活用できる知識やトレーニングを紹介する。
(3)本日の振り返り
参加された皆さんがそれぞれ見学した在宅現場を報告していただき、参加者間での情報を共有する。
(4)ケースカンファレンス
見学した患者さんのケースを取り上げて、各職種でどんなことができるのか、どんな視点が必要なのかを議論していただき、本吉地区での患者さんごとの多職種連携に応用していただけるようにする。
このような取り組みは初めてでしたので、研修前後で参加者の皆様の認識がどのように変化するかを見るためにアンケートに協力していただきました。アンケートの内容は、(1)本吉地区の医療・介護の問題点、(2)本吉地区の医療・介護の今後に必要なこと、の2点です。
アンケート結果を見ますと、これまでの問題点、今後必要なことの2つの質問ともに、研修前は「マンパワーの欠如」「住民の理解不足」「制度の問題」「施設不足」「保険外介護サービスの不足」といった外部要因を問題視する傾向だったものが、研修後は「開かれた地域」「情報共有」「関係者の理解とリーダーシップ」「医療・介護の連携アップ」「住民の啓発活動」など自分たちにできることに問題意識が移っている様子が伺えました。遠路はるばる研修にお越しいただいたので、何か少しでも吸収していただきたいと思っていましたので、今後の皆さんの活動に少しでも刺激になっていれば嬉しく思います。
今回、本吉地区の皆様と接していると、被災後の大変な中、皆さんが本当にがんばっていらしゃったことが伝わってまいります。そして、本気で本吉地区を盛り上げていこうとされているのがわかります。都心部では少々希薄な、全員が当事者として地域を作っていく皆さんの姿勢を見ていると、逆にこちらが刺激を受け、少しうらやましく感じたりもしました。皆さんの今後のご活躍を心よりお祈りしています。