いのちを学ぶ絵本②
いのちを学ぶ絵本シリーズは、暮らしのなかで命や死、病気と向かい合うときに力になってくれる絵本を、現場の医師と看護師が選びアーカイブしたものです。 子どもだけではなく大人にも優しく学びを与えてくれています。
ことばのかたち
ケアをする立場にあって、ことばの存在はとても大きい。
どんなことばを、どんな声色で、どんなふうに伝えるのか。または、伝えないのか。
そのことについて、もう一度立ち止まって再考する時間をもらえるような絵本でした。
おーなりさんの、めくるめく色彩。圧巻でした。
作・絵:おーなり由子
発行:講談社
悲しい本
"悲しみは、ほかの誰のものでもなく、わたしだけのもの"
深い悲しみのなかにいる人に向き合うわたしたちは、この絵本をいちど手に取ると良いのかもしれない。
ケアを仕事にするひとに。
作:マイケル・ローゼン
絵:クェンティン・ブレイク
訳:谷川俊太郎
発行:あかね書房
わすれられない おくりもの
子どもの頃に手に取ったことがあるひとは多いかもしれません。
久々にこの本を開き、あらゆることが詰まっていたんだと気づいて、思わず涙ポロリでした。
たくさんの別れを経験した大人にこそ、もう一度読み返してほしい絵本。
ケアの現場でも、子どもへのアプローチの助けになってくれる本です。
作・絵:スーザン・バーレイ
訳:小川仁央
発行:評論社
おじいちゃんがおばけになったわけ
ある男の子が、おばけになったおじいちゃんと一緒に、おじいちゃんがこの世に忘れた何かを探す物語。
現場で、子どもを置いて旅立たなければならないお母さんから、「どうやって子どもに向かい合えばいいの?」と問われたことがあります。
あのとき、彼女にこの本を渡すという選択肢もあったのかな。
そんな風に自分のケアを振り返りながら読んだ絵本でした。
文:キム・フォップス・オーカソン
絵:エヴァ・エリクソン
訳:菱木晃子
発行:あすなろ書房
ママはかいぞく
子どもへの愛にあふれている本!
母親の病気やその治療について、海賊になぞらえてユーモアたっぷりに、だけど目を逸らさないで伝えている。
幼い子を育てながら、治療もがんばるお母さんへ。
お母さんの病気について知りたいけど、ちょっと怖いなと思っている子どもたちへ。
必要なときに手渡せるように、医療者が知っておくといい絵本だと思います。
文:カリーヌ・シュリュグ
絵:レミ・サイヤール
訳:やまもと ともこ
発行:光文社